意味
湿を悪みて下きに居る
- 他者から悪く言われるのを嫌っているのに、自らの行いを改めないこと。
- 現在の境遇に不満を持ちながらも、そこから抜け出せずにいること。
使い方
文章中や会話中でどう使うのか?
「湿を悪みて下きに居る」は、
というような使い方をすることが多いです。
何を表現できる?
「湿を悪みて下きに居る」は、
等を表現できます。
使用例
使用例1
彼は社内一の守銭奴という自身に対する周囲の評価を心底嫌っていた。しかし、相変わらず自販機で飲み物代を払うことすら渋って水道水を飲み続けるというような有り様だったので、周囲の評価が変わることはなかった。湿を悪みて下きに居っては何も変わらないということだ。
使用例2
貧乏な家庭に生まれた藤崎君は、いつか不自由のない裕福な暮らしをするのが夢だった。しかし、進学費用が無いことや酒癖の悪い暴力的な父の存在などの彼にはどうすることもできない問題が、彼が湿を悪みて下きに居る要因となっていた。
使用例3
キミがクラス内で孤立しているのはその無神経さが原因だと分かっているんだろ?楽しい学校生活を送りたいのなら、湿を悪みて下きに居るようなことはやめるべきだ!
出典
もうし【孟子】
②〔「もうじ」とも〕中国、戦国時代中期の思想書。七編。①の言行をその弟子たちが編纂したもの。民生の安定、徳教による感化を中心とする王道政治を主張し、また性善説に基づく道徳論・修養論を展開している。その文章は議論体の古文の規範とされる。四書の一で、儒教の必読書とされた。
引用元:松村明 三省堂編修所(2019) . 『大辞林4.0』 . 三省堂
原文の意味
仁があれば栄え、悪いことをしていれば屈辱を受ける。今、屈辱を受けることを嫌いながら仁を欠いた悪い行いをしているのは、湿気を嫌っているのにわざわざ湿気の多い低地に居るようなものである。
補説
「湿を悪みて下きに居る」は、
と書くこともあります。